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【Web広告4】リターゲティング広告について

リターゲティング広告は、Webサイトを一度訪れたことのあるユーザーに対して、他のサイトやSNSを閲覧している際にも自社の商品やサービスの広告を表示し、再度アプローチすることができるWeb広告の一種。ECサイトやBtoBサイト、旅行代理店など幅広い業種で活用されており、特に「カートに商品を入れたまま離脱した」「資料請求ページを見て離脱した」といった“あと一歩”で購入や問い合わせに至らなかったユーザーの再獲得に大きな効果を発揮する。

■リターゲティング広告の仕組み
リターゲティング広告の根幹となるのは「Cookie(クッキー)」と呼ばれる仕組み。まず、広告主は自社Webサイトにリターゲティング用のタグ(JavaScriptコードなど)を埋め込む。ユーザーがそのサイトに訪れると、タグが発火し、ユーザーのブラウザにCookieが付与される。このCookie情報をもとに「訪問ユーザーリスト」が作成され、広告配信ネットワークに登録される。

その後、ユーザーが他のWebサイトやSNSを閲覧している際、広告ネットワーク(Googleディスプレイネットワーク、Yahoo!広告、Meta広告、LINE広告など)がCookieを識別し、登録されたユーザーリストに該当する場合に広告を表示。これにより、ユーザーが自社サイトを離れた後も、さまざまな場所で自社広告を目にする機会を作り出せる。


■配信媒体と具体的な活用例
リターゲティング広告は、Google広告(GDN・YouTube)、Yahoo!広告、Meta広告(Facebook・Instagram)、X(旧Twitter)、LINE広告など、主要な運用型広告媒体で対応している。

<具体的な活用例>

◎ECサイト(アパレル)
カート落ちユーザーに対して、1週間以内にクーポン付き広告を表示し、購入率(CVR)を25%向上させた事例があります。クーポンの期限を設けることで「今買わないと損」という心理を刺激し、購買を後押ししている。

◎BtoB企業
製品ページを閲覧したユーザーに、事例資料ダウンロードやオンラインデモへの誘導広告を配信。比較検討が長期化しやすいBtoB商材でも、リターゲティングによって継続的に接点を持ち、最終的な問い合わせ率を30%改善した例がある。

◎旅行代理店
特定の旅行プランを閲覧後に離脱したユーザーへ、関連ツアーの割引情報やシーズン限定キャンペーン広告を表示。繁忙期直前に検討しているユーザーを効率的に囲い込み、申込件数を前年同時期比で2割増やした事例もある。


■リターゲティング広告のメリット
◎高い費用対効果
既に自社サイトや商品に興味を持ったユーザーに絞って広告を配信できるため、無駄な広告費を抑えつつ、コンバージョン率(購入や問い合わせへの転換率)を高めやすい。

◎購買意欲の再喚起
離脱ユーザーに「この商品を買い忘れていませんか?」とリマインドし、検討中のユーザーの背中を押すことができる。

◎柔軟なターゲティング
サイト内の特定ページ(例:カートページや商品詳細ページ)を訪れたユーザーだけをリスト化し、より精度の高い広告配信が可能。


■デメリット・注意点
△新規顧客の獲得には不向き
リターゲティング広告は、既に自社サイトを訪問したことがあるユーザーが対象。そのため、ブランドや商品をまだ知らない新規ユーザーへのアプローチには向いていない。

△ユーザーに嫌悪感を与えるリスク
同じ広告が何度も表示されると、「しつこい」「監視されている」と感じて不快感を持たれることがある。これを防ぐためには、1人のユーザーへの広告表示回数を制限する「フリークエンシーキャップ」や、すでに購入したユーザーを除外する設定が重要。

△逆ブランディングのリスク
度を越した追跡は、ブランドイメージの低下や広告ブロックの利用増加につながる恐れがある。

△運用にはノウハウが必要
適切なリスト設計や除外設定、クリエイティブの最適化など、成果を最大化するには専門的な知識と継続的な運用が求められる。


■効果を最大化する運用ポイント
◎ユーザーの行動ごとにリストを分け、最適な広告内容を出し分ける(例:カート離脱者には割引クーポン、資料請求ページ離脱者には実例集など)

◎広告表示回数の上限を設定し、しつこさを感じさせない

◎購入済みユーザーを除外し、無駄な広告費を削減

◎A/Bテストを活用し、クリエイティブや訴求内容を継続的に改善


■まとめ
リターゲティング広告は、Webサイト訪問者の中でも「あと一歩でアクションに至らなかった」ユーザーに再アプローチし、購買や問い合わせを促進できる強力なWeb広告手法です。Cookieやタグを活用した仕組みで、主要な広告媒体で幅広く利用されています。高い費用対効果が期待できる一方、ユーザー体験やブランドイメージへの配慮、適切な運用ノウハウが求められるため、メリットとデメリットを理解し、戦略的に活用することが成功の鍵となります。